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生成AIのPoCとは?本番に乗らない理由と対策
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生成AIのPoC(概念実証)は、デモがうまく動いても、本番で使われないまま終わることがあります。
この記事では、PoCと本番開発の違いと、本番に乗らない理由、着手前に決められることを解説します。
PoCと本番開発は、確かめている対象が違う
PoC(Proof of Concept/概念実証)は、本格的に作りはじめる前に「その考え方が成り立つか」を小さく試す工程です。生成AIでは精度が事前に読めないため、たいてい最初に置かれます。
違いは期間でも規模でもありません。PoCが見るのは、技術的に実現できるかどうかです。用意したデータで、狙った出力が得られるか。本番が引き受けるのは、毎日の業務のなかで使われ続けるかどうか。例外的なデータが届いたときにどうなるか、担当者が結果を信じられるか、間違いに気づけるか。
PoCの合格が本番の合格にならないのは、そのためです。
なぜ、動いたものが使われなくなるのか
検証に使ったデータが、現場のデータではない
「試すのでデータをください」と頼むと、整ったデータが集まりやすくなります。処理しにくいデータを選んで渡す人は少ないためです。
一方、現場には書式が崩れたものや項目が抜けたものも届きます。検証結果は選ばれたデータに対する数字です。本番との差は、モデルではなくデータに表れることがあります。
精度は測っても、間違え方は測っていない
処理できなかったときに「できませんでした」と返ってくるなら、担当者はその1件だけを見れば済みます。
自信のない出力もそのまま返すと、担当者は全件を確認することになります。確認に元の作業以上の時間がかかれば、導入しても使われなくなります。
相談の言葉が、すでに解決策になっている
「この作業をAIで自動化できませんか」という相談は、解決方法を先に決めています。まず、どの業務上の問題を解決するのかを確認します。
自動化を前提にすると、AIの精度だけを検証しがちです。業務の流れを確認すれば、入力方法を変える、例外だけを人が扱うなど、別の方法も検討できます。
着手前に決められること
PoCの成功率は、モデルを選ぶ前の段取りでかなり変わります。発注する側が決められるのは、おおよそ次の四つです。
- 現場で作業してみる。相談してくる人と、困っている本人はたいてい別です。その作業を一度自分でやってみると、例外がどこから来るのか、どの手順がいちばんつらいのかが分かります
- 実データをみる。実際に現場を流れているデータを、こちらで選ばずに受け取ります。「先週届いた分を全部」と期間で区切れば、例外が何割を占めるのかがそのまま分かります
- 確認にかかる時間を測る。精度だけでなく、担当者が結果を目で確かめる時間も併せて記録します
- 撤退要件と商用化基準を先に決める。どの結果が出たら撤退するのか、逆にどこまで届けば本番に進めるのか。この2つが着手前に書いてあるPoCは、乗らなかった場合でも次の判断に効きます
まとめ
- PoCと本番は、確かめている対象が違う。PoCの合格は、本番の合格を意味しません
- 検証データは、たいてい選ばれている。現場の分布とは違うため、そこで出た数字は本番では再現しません
- 精度だけを測っても足りない。間違え方を確かめていないと、確認の手間が元の作業を上回り、使われなくなります
- 相談の言葉が解決策になっていたら、課題に戻す。答えから始めると、その答えの精度しか測れません
- 着手前に決められることがある。現場で作業してみる、実データをみる、確認にかかる時間を測る、撤退要件と商用化基準を先に決める
PoCでは、AIを使うかどうかを決める前に、業務の課題と検証方法を整理します。検証の結果、AIを使わないと判断する場合もあります。
ライター
feeed編集部 / フィード株式会社
フィード株式会社のコラム編集部です。PoC開発・新規事業開発・受託開発の現場で得たことを、発注する側の判断に役立つ形で書いています。


